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【特集】日光羊羹11選 〜老舗の甘味で、旅の余韻を深める〜

【特集】日光羊羹11選 〜老舗の甘味で、旅の余韻を深める〜

日光といえば、荘厳な社寺や豊かな自然が注目されがちですが、もうひとつ忘れてはならないのが「羊羹(ようかん)」の存在です。

日光の名水と寒冷な気候が羊羹づくりに最適だったことから、江戸時代より参詣客への土産や茶菓子として親しまれ、数多くの名店が軒を連ねるようになりました。なめらかな口あたり、上品な甘さ、職人の技が詰まった一本。

今回は、そんな日光を代表する羊羹の名店を11軒ご紹介します。旅の合間に、あるいは帰路のお土産に、日光ならではの甘味を探してみませんか?

鬼平(きびら)の羊羹本舗|濃厚で奥深いコクと甘み

昭和初期、羊羹専門店として創業した「鬼平(きびら)の羊羹本舗」。一口食べると、濃厚でしっとりとした食感と、深いコク、甘みが口の中いっぱいに広がります。歴史ある竹皮のパッケージの中はアルミで包まれており、保存期間も長く、お土産に最適です。

看板商品の水羊羹も長年地元の方々に愛される人気商品です。

三ツ山羊羹本舗|上品で甘さ控えめな大人の味わい

明治28(1895)年に創業した三ツ山羊羹本舗。厳選された小豆、寒天、砂糖だけで、深みのある味わいを引き出した羊羹。火加減を見守りながら丁寧に炊き上げた餡は、濃密でなめらか、芳醇な香りがふわりと広がります。口に含めば、重厚なコシとキレのある甘さが調和し、食べ終えたあとも爽やかな余韻が続く、大人な味わいの逸品です。

先々代から受け継がれた伝統の技を守りながら、一棹一棹、心を込めて丁寧に煉り上げた、上品で奥深い味わいをぜひご堪能ください。

ひしや|竹皮の風味がほのかに香る幻の一本

創業は明治元年(1868)年。代々受け継がれてきた手仕事の伝統を守り続け、今もなお一日一釜、わずかな本数のみを丁寧に炊き上げています。その希少さから“幻の羊羹”とも称され、開店から午前中には完売することもしばしば。
シャリっとした表面の砂糖の結晶と、しっとりとした煉り部分。口に入れた瞬間に広がるその絶妙なコントラストは、まさに記憶に残る味。甘すぎず、しつこくなく、雑味のないきれいな余韻が残ります。繊細な手作業の跡が感じられる、竹皮からほんのりと香る風味もまた一興。

本物の手仕事が生む、本物の味わい。竹皮に包まれた一棹に、五代続く職人の誇りと揺るぎない時間の積み重ねが詰まっています。

吉田屋羊羹本舗|しっかりとした歯応えと艶やかさ

明治初期創業。日光山内の由緒ある社寺にもゆかりのある老舗。厳選された素材を活かし、古来より伝わる製法で丁寧に仕上げた伝統の味。しっかりとした歯応えと艶やかな美しい見た目、そして甘さを控えた上品な口あたりが特徴です。

深い味わいが舌に広がる、絶妙なハーモニーをぜひお試しください。

日光羊羹 綿半(わたはん)|ずっしりと重みを感じる深い食べ応え

天明7(1787)年創業。江戸時代には二社一寺の御用を務め、諸大名や宮内省にも献上された日本最古の羊羹店・綿半(わたはん)が受け継ぐ伝統の一棹は、今なお変わらぬ製法で、ひとつひとつ手作りされています。

特徴はしっかりと角の立った四角い形、ずっしりと重みを感じる食べ応え、時間が経つと表面に現れるシャリっとした砂糖の結晶。そして、竹皮に直に包まれた独特の香りと風味。日光の澄んだ冷水と厳選された素材が、深い甘みと上品な口あたりを生み出しています。

湯沢屋|黒く美しい光沢が輝く煉羊羹

文化元年(1804年)、世界遺産「日光の社寺」の門前に創業した湯沢屋。
明治の頃より幾度も賞を受けてきた、湯沢屋自慢の煉羊羹。黒く美しい照りと、水艶のような光沢を湛えた一本には、しっかりと煉り上げられた小豆の豊かな風味と、甘さの絶妙なバランスが詰まっています。
素朴でいて洗練されたその味わいは、日光を訪れた多くの人々の記憶に残る一品です。

湯沢屋はほかにも、香り豊かな元祖日光酒饅頭や、地元の老舗湯葉屋とコラボした豆乳と羊羹の二層仕立ての寒天菓子・鉢石など、多くの方から愛される菓子を取り扱っているほか、そうした自慢の一品を旅の途中に楽しむことのできる「鉢石カフェ」を店舗のすぐそばにオープンしています。
旅の途中の休憩にも、おすすめのスポットとなっています。

元祖日昇堂|外はカリッと中はなめらか

昔ながらの製法で手間を惜しまず仕上げた、竹皮包みの伝統羊羹。寒天や砂糖を丁寧に煮溶かし、羊羹舟に流し込んで固めたのち、一本一本手作業で竹皮に包んでいます。
外はカリッと、表面に浮き出た砂糖の“じゃりじゃり感”がどこか懐かしく、中はやわらかくなめらか。この食感の対比と素朴な甘さが、多くの人の記憶に残る味わいです。

日光カステラ本舗|ごろっと小豆の風味広がる

国内産小豆を贅沢に使用し、日光連山の清らかな水で丁寧に練り上げた、まろやかな甘さの羊羹です。
角の立った横長のアルミ容器に、小豆がごろっと詰まった素朴でクセのない味わい。どこか懐かしく、安心できる一棹です。

ちいさな日光羊羹は5種の味。塩・黒蜜・苺・チョコ・ミルクの5つの風味を、食べきりサイズで楽しめる詰め合わせ。
ひとつひとつが50gの手のひらサイズで、パッケージも愛らしく、お土産やちょっとした贈り物にもぴったり。
日光の水と素材にこだわった、遊び心あふれる羊羹です。

補陀洛(ふだらく)本舗|やさしい甘さとほんのり残る塩気

補陀落(ふだらく)本舗の塩羊羹は、付属の糸でスッと切り分けて楽しむ、昔ながらの食べ方。
フタを開けると、なんとザラメがきらり。口に運べば、やさしい甘さとほんのり残る塩気が絶妙で、後味はさらりと上品。少しやわらかめの口どけもクセになります。丸筒の中に入った羊羹は見た目も楽しく、贈り物や旅のおともにもぴったりです。

夏にはやっぱり、水羊羹。日光の美味しい水で仕立てた水羊羹は、さっぱりとした甘さと餡の豊かな風味が自慢。
栗入りの水羊羹は水水しさとホクホク感が絶妙で、一口で思わず“目がハート”になる美味しさです。

日光金谷ホテル|一口に詰めた伝統とモダン

明治28(1895)年創業の三ツ山羊羹本舗と、現存する日本最古のクラシックホテル・日光金谷ホテルがコラボした特別な一口羊羹。素材の甘さを活かし、余計なものは加えず、手間ひまかけて煉り上げた本格派。その深い味わいと余韻は「いかにも羊羹」と感じさせる、王道の和菓子の風格をまといます。

外箱には羊羹の断面を思わせる四角いチェック柄、マッチ箱サイズの小箱にはホテルのトランプギフトを彷彿とさせる遊び心あるデザイン。水彩画のような掠れ、少しずれた色の重なりも、どこか懐かしくて可愛らしい。

すぐに食べても美味、数日置くと表面に砂糖が浮き出し、ザクっとした食感に。味の移ろいも楽しめます。

菓匠おしやま|水ようかんじゃない?“ぷるぷる”の新感覚

日光連山を水源とする豊かな伏流水は、今市・日光・湯西川・川俣・奥鬼怒エリアに数多く湧き出る天然の恵み。この名水を最大限に活かしたのが、菓匠おしやまの「日光あずき豆風」です。

「日光あずき豆風」は、寒天ではなく葛で固めた新しいかたちの水菓子。特選小豆の風味を活かしながら、甘さは控えめ。
ぷるんとやわらかく、舌の上でほどけるようななめらかさが魅力です。冷やすとより一層爽やかで、まるで名水をそのまま食べているかのよう。

水羊羹やゼリーとはひと味違う、日光の名水が織りなす新しい一品をぜひお試しください。

羊羹からひもとく、日光のもうひとつの物語

日光の羊羹をめぐる今回の旅。どのお店も、素材や製法にこだわりながらも、それぞれに異なる表情を見せてくれました。口に含めば、なめらかだったり、シャリっとした歯ざわりがあったり、竹皮の香りがふんわりと鼻に抜けたり。
「甘い」だけでは語り尽くせない奥行きが、羊羹というお菓子の奥深さを物語っています。

そしてその一棹の背景には、百年を超える歴史や、名水の恵み、職人たちの手仕事が静かに息づいていました。
だからこそ、ひとつ手に取るだけで、日光という土地の空気まで連れて帰ってくれるような気がするのです。

ぜひ、あなたも“お気に入りの一棹”を探してみてください。
観光名所をめぐるように、羊羹をめぐる旅もまた、日光の楽しみ方のひとつ。お土産にも、自分へのご褒美にもぴったりです。

Column

髙橋広野
髙橋広野
日光の門前町を拠点に、全国を旅しながら空間デザインをしています。 ホテル/店舗の内装を中心にロゴ・グラフィック・写真・動画・印刷物・WEBSNSなどのあらゆるもののトータルデザイン。 旅をしながら仕事するデジタルノマド。日光に移住して5年目。
PICNIKKOcafe and picnic rental store 店主

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